こんにちは!
シュタイナー教育のデメリットがあるとしたら…?
ちょっと考えてみました。
シュタイナー教育が大好きな私は、子どもにはシュタイナーの幼稚園を選び、家庭でもできる限りシュタイナーの思想に沿ってやってきたつもりです。
シュタイナーの人間観や世界観は素晴らしい!
けれども、、、
現代の生活に取り入れることは、いろんな葛藤がある。
今回はそんな実体験の感想を含めて、デメリットをお話ししたいと思います。
「シュタイナー」とは
シュタイナー教育のデメリットを話す前に、そもそも「シュタイナー」とは?という話からします。
「シュタイナー教育」の「シュタイナー」は、考案者であり哲学博士の、ルドルフ・シュタイナーの名前からきています。
シュタイナーは1861年現在のクロアチアに生まれました。
彼が創り出したものは人智学(アントロポゾフィー)という人間観・世界観。
- 教育
- 農業
- 医学
- 薬学
- 社会学
- 建築
- 芸術
- 自然科学
日本では「シュタイナー教育」で知られていますが、上であるようにあらゆる分野で現在もシュタイナーの哲学は実践されています。
「シュタイナー教育」ってどんな教育?
では「シュタイナー教育」ってどんな教育なの?ってところですが、シュタイナーの哲学はなかなか深く、簡単に説明できるものではありません(汗)
ですので今回は、ざっくり幼児時期についての話だけしたいと思います。
シュタイナー教育は「自由への教育」と言われていますが、もっと具体的には、
「するべきことを自分で見つけて、自行できる人に育てる」教育です。
シュタイナーの思想の「人間観」では、人は3つから成り立っています。
シュタイナーの人間観
- 精神
- 心
- 体
シュタイナーは、人は皆何かの課題や使命を持って生まれてくると考え、その使命を果たすためにもこの3つのバランスがとれることが大切としています。
シュタイナー教育に他の教育にはない発想があるとしたら、それは「生まれた時点で人はすでに違う」という考えでしょう。
またシュタイナーは、子どもは「天」からの授かり物として、「子どもに畏敬の念を持つ」といっています。
シュタイナーは人は「7年周期」で成長していくと考え、0~7歳の第1期は、体をつくることが大切としています。
外の世界と内の世界に仕切りがない状態で、見た物触れたもの全てを、いいもの悪いものの区別なしに自分の中に取り込むのが、この時期の子ども。
そこで、子どもたちの周りに本物且つ、美しいものをおいてあげようとしています。
シュタイナー教育を取り入れた幼稚園の保育室には、選び抜かれた自然素材のものだけが置かれています。
- ハープ
- ミツロウ粘土
- シルク生地
- 水晶
- 貝殻
- 木製の積み木
- どんぐりなど木の実
- 手作りの人形
- 羊毛
等
シュタイナーの保育室はとても静か。先生が大きな声をあげることもなければ、園児が大きな声で歌う「お歌」の時間もありません。
保育時間の子どもはひたすら自分の選んだ遊びに徹していて、保護者に観せる発表会などの行事はありません(ある幼稚園もありますが)。
逆にあるのは先生によるとても静かな素話や、ささやくような歌声。
保育室に淡いピンクのカーテンが使われているのも特徴。
また食べ物は、自然食やオーガニック材料が取り入れられています。
他にもいろいろありますがここでの説明はこんなところで。
良書です↑
シュタイナー教育のデメリット
シュタイナー教育のデメリットがあるとしたら…?
私の感じる「シュタイナー教育のデメリット」は、大きく分けて2つ。
- 世の中の流れとは違う価値観(理解され難い少数派の思想に感じる)
- 親の負担が大きい(経済的にも時間的にも)
ここであげるデメリットはあくまで私の今まで経験からの話で、「12年で完成」のシュタイナー教育を丸々受けての感想ではありません。
その辺はご了承下さい(汗)
それではデメリットをもっと詳しく見ていきます。
1. シュタイナーの哲学を理解するのが難しい
デメリットの1つは、シュタイナーの哲学を理解するのが難しいこと。
シュタイナーは歴史上の哲学者であり、今彼から学ぶとしたら、彼の残した書物を読むしかできません。
なんでもそうですが、確立される思想がどんなに素晴らしいものであっても、受け伝える人によってどんどん違うものになっていくものではないでしょうか?伝言ゲームみたいに。
解釈も人それぞれです。
つまり、全て個人の解釈による「シュタイナー教育」になるかもしれないということ。
その辺の難しさに、デメリットを感じます。
何も「ウォルドルフ人形を持っているからシュタイナー教育」とか、「にじみ絵をするからシュタイナー教育」ではないと、個人では思っています。
2. シュタイナー教育を受けられる場所が少ない
デメリット2つ目は、シュタイナー教育を受けられる場所が少ないこと。
幼稚園でも学校でも、シュタイナー教育が取り入れられているところは日本にはまだ少ないです。
(どちらも現時点2021年6月の数をあげました)
全国のシュタイナー教育の幼稚園数
60園(日本シュタイナー幼児教育協会の会員団体の数)
全国のシュタイナー教育の学校数
7校(自由ウォルドルフ教育連盟の「ウォルドルフ学校リスト」に掲載されている学校の数。日本には「ウォルドルフ」名称を認証する正式な機関が存在しない)
子どもをシュタイナー教育で育てたいと思っていても、資金や家庭の都合で途中で断念することはあるように思います。
また、幼稚園・学校の数だけでなく、教育を受ける生徒数も少ない。
さらに学舎自体も少人数制です。
大人数のクラスメイトと学びたい人にとっては、これはデメリットになるでしょう。
実際シュタイナーの学校ではシュタイナーの教育方針から、12年間同じクラスメイトと過ごします。
学校だけが人との関わる場所ではないとしても、もしかしたら「狭い世界」になってしまうかもしれません。
3. 世間とのギャップがある
デメリット3つ目は、シュタイナー教育の世界観が、世間一般とは真逆でありギャップがあること。
シュタイナー教育は身につけるものや食べ物は、オーガニックや自然素材を取り入れます。
逆にテレビなどメディアは「不要」として子どもから離しますし、幼児期には黒いものを与えないとか、キャラクターものを与えないとか、さまざまあります。
このように「子どもから避けるもの」リストは現代社会には多いです。
そのシュタイナー的価値観に、どこまで添えるかという葛藤が生まれるこはあるかと思います。
周りにシュタイナー教育を取り入れている家庭ばかりではないことから、シュタイナー教育に熱心になればなるほど、一般社会から「違う世界の住人」に見なされるかも?
シュタイナー教育は確かに魅力的で素晴らしいですが、必ずしも人生の全てではありません。
あまり熱心になり過ぎると、見えない部分があったり、逃すこともあるように思います。
このように世間との調和をとるのがシュタイナー教育の難しいところであり、デメリットではないでしょうか。
4. 親も学ばなければならない
子どもにシュタイナー教育を受けさせる親は、シュタイナー教育を学ばなければなりません。
それも場合によってはデメリットかもしれない。
シュタイナー的価値観に添うのは義務ではないけれど、幼稚園または学校側によっては、保育・教育の現場だけでなく、保護者自身も学び、シュタイナー的価値観に添うことを求められる場面はあると思うんです。
実際シュタイナ教育の幼稚園や学校では、「保護者の学びの時間」が設けられています。
私の通っていた幼稚園では、子どもに持たせる絵本バッグやエプロン、ランチョンマット、クレヨンケースなどの用意をお願いしていました。
手作りは強制ではなかったものの、指定のサイズがありましたので、手作りをするお母さんがほとんどだったように思います。
私は入園当時ミシンは持っていたものの、それまで雑巾くらいしか縫ったことがなかったので焦りました。それでも本で調べたり、園で聞いたりしながら手探りでやるようになりましたが。
時間的に余裕があり新しいことを学ぶ意欲のある方は、喜びとしてできるかもしれませんね。
5. 費用がかかる
現代ではシュタイナー教育を目指せばめざすほど、費用がかかる面はあるでしょう。
シュタイナー教育の幼稚園が学校に通わせたくても、近くにそれらがなければ遠方から通うか、もしくは近くの土地に移り住まなければいけません。
また、シュタイナーは「本物」を子どもに与えます。
メディアや電子機器などにお金を投じることはなくても、自然素材など質の高いもを選ぶ必要はあります。
おもちゃでもなんでも、木製って高額ですよね(汗)
また身につけるものも、自然素材のものをできるだけ選びます。
これもどこまで取り入れるかは各家庭の経済状況や価値観にもよりますが、こういったものは高額なだけではなく、見つけるのも手間なことはある。
例えば衣類でも、綿100%の物ってなかなかないんですよね。麻やシルクはもっと高額になりますし。
食品もできるだけ自然食、もしくはオーガニック原料のものが良いとしますが、これもやはり全ては不可能に思えます。
6. 迷った時の相談相手がいない
シュタイナー教育を志す中で、迷った時の相談相手がいないこともデメリットの1つではないかと。
シュタイナー教育を小学校に上がってもしている家庭をあまり聞きません。
幼稚園時代は、子どもの相談を幼稚園の先生にさせてもらいました。よくシュタイナーの思想を元にした導き(?)をいただいたものです。
いつもとても納得いく内容で、ずいぶん助けられたのですが、、
小学校に入った今、シュタイナー教育を家庭で続けるにあたっての相談相手がいません。
頼れるのは書籍のみになりました。
「14歳までのシュタイナー教育」
子どもの教育で悩んだときに学校の先生と相談するのも良いですが、シュタイナー教育好きとしてはシュタイナー的観点から聞いてみたいもの。
シュタイナー教育の学校に入れば、道しるべはあるかもしれませんね。
後日談ですが、求めていると出会うものかも…?
最近近くにシュタイナーの先生が現れました!!
7. 公立に転入するのが大変
最後にあげるデメリットはこちら。万が一公立に転入する場合大変かも?という話です。
シュタイナー教育はシュタイナー独自の世界観から成る教育ですので、根本的な価値観は公立の学校とは違います。
もちろんカリキュラムも異なってくる。
シュタイナー独自の思想・カリキュラムが気に入り、より自由な選択肢の一つとしてシュタイナー教育の学校を選ぶ方はいるでしょう。
とはいえ、実際に通ってみて合わないと感じる場合もあると思うんです。
シュタイナー教育は好きであっても、学校の雰囲気が合う・合わないは当然ありますし、それはシュタイナー教育の学校だけでなく、公立の学校に通っていてもどこにでもあること。
もし「やっぱり公立の学校に行こう」となった時、シュタイナー教育の学校から公立の学校に行くのはもしかしたら少し大変かもしれない。
カリキュラムが違うばかりでなく、生徒と先生の関係性も違いますし、授業の進み具合もシュタイナー学校より公立の学校の方が早い。
比べることができないほど別物であり、そんな不安要素にもデメリットを感じます。
シュタイナー教育のメリットって?
シュタイナー教育のメリットはいろいろあると思いますが、個人の感想を書かせてもらいますね!
私がシュタイナー教育が気に入ったのは、「子どもは大人以上に素晴らしい」と尊ぶ考えです。
子どもに何かを教え込もうとするのではなく、個性を尊重して、子ども時代を子どもらしく過ごさせること。
生まれてからの6、7年間は、シュタイナーだけでなく他の思想でも「人生の中で最も大切な時期」といわれていますね。
そんな子育て時期にシュタイナー教育と出会い、手探りではありましたが、シュタイナー教育を取り入れられたことで、救われたことは沢山あったと思っています。
具体的にはこのようなこと。
- 子育ての軸になった
- 人間として大切なことを考えさせられた
- 大人の都合ではなく、子どもに寄り添えた
- 子どもに自由を与えられた(かな?)
- 親が癒やされた
他にもたくさん!
まとめ
シュタイナー教育のデメリットを沢山あげた私ですが、それでもシュタイナー教育が好きなんですよねー。
シュタイナー教育に不都合な点やリスク等あったとしても、それを打ち消すだけの魅力を感じるのです。
【シュタイナー教育】経験して気づいた【7つ】のデメリットとは?、いかがでしたか?
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!