【懐かしい鬼婆の話】新潟の昔話を読んでいて思い出したこと

こんにちは!シロイヌです

今回は「懐かしい鬼婆の話」として、新潟県の昔話を読んで思い出したことを書こうと思います!

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『あおい玉 あかい玉 しろい玉』

子供たちへの読み聞かせが日課となっているわが家。

「子供に本を読む習慣を」と思い始めた読み聞かせでしたが、

今では母親の私も子供の本の楽しさに魅せられ、時には感動し、時には感慨深くなったりしています。

今回は取り上げるのは、新潟県の昔話『あおい玉 あかい玉 しろい玉』

読んでいて(幼い時に聞いた「三昧のお札」に似てるな)と思いました。

『あおい玉 あかい玉 しろい玉』ではお便所の神様に救われますが、『三昧のお札』では、和尚がくれたお札に救われます。

気になる文言

ところでこの『あおい玉 あかい玉 しろい玉』のお話の文末にある、

いちごぶらーんとさがった なべのしたカリカリ

という文言。「これは一体なんだろう!?」とずっと疑問でした。

その横に「新潟県の昔話」と書いてあるのです。

(新潟県民としてこれは知っておきたい)と思い、調べるとそれは…

「昔話の結び」

とのことでした。「めでたしめでたし」のような。

他にもこういった言い方があります(以下)

「いきがぽーんときれた」

「いちごさけもうした」

「いっちょうざっくり」

「いっちょうさかえもうした」

「いちごさけどっぺん。鍋の下がりがり甘酒沸いたらのんでみれ」

これらは「一期栄えた」の意味と言われるそう。

「越後栄えた」の方が新潟県民としてはしっくりきます。

「い」と「え」を逆に発音

ちなみにこれは方言の話になるのですが、新潟県の南魚沼近辺では、「い」を「え」と発音し、またその逆の、「え」を「い」と発音するんです。

例えば、「いろえんぴつ」という単語。これをその地域の話方で言うと、「えろいんぴつ」になる!

これを上手く全ての単語において逆に発音しているので、小さい頃は何気なく聞いていた私も、物心つく頃にはその異様な発音に気づきよく笑ったものです(私の祖母がそうでしたので)。

ですので、その地域の人が「いちごさかえた」を言うならば、そのいちごは、「一期」では無く、「越後」と書いて、「いちご」と言っていたか・も、しれないです。

どこにでもある「語り」の形式

話を戻しまして、この語りの形式は何も新潟独特のものではなく、全国どこでもなんらかの形で共通しているようです。

この「いちごぶらーんとさがった なべのしたカリカリ」ですが、私は聞き覚えはありません。

結構強烈なインパクトのある言葉なので、聞けば忘れないと思うんですが。。。

もしかしたらスルーしていたのかもしれないですね。

おばあちゃんとの思い出

鬼婆の話は、昔おばあちゃんがよくしてくれた覚えはあります。

夏休みに田舎のおばあちゃんちに泊まりに行くのが恒例でした。いとこも集まり、子供達で夜まで盛り上がることも。

そんな時おばあちゃんはきまって、

いつまでも起きてると、山から鬼婆が降りてきて、食べられてしまうよ

と、ドスを利かせて話して聞かせるのです。

そのおばあちゃんの手には、鬼婆が持っていそうな分厚い包丁がありました(←いつも何か野菜の皮を剥いていた)。

おばあちゃんはとても愛情深い人でしたが、夜に見るそのおばあちゃんの姿は昔話に出てくる鬼婆の実写のよう。

そして夜の闇の静けさや冷たい風を感じると、子供だった私達は

(本当に鬼婆が山から降りてくるかも…)

と皆怖がり、急いで床に就いたものです。

鬼婆の話は私たちが成長するまでしばらく続き、「サンタクロース」を信じていたのと同じくらいその「鬼婆」を信じ、おばあちゃんが話す度に怯えていました。

おばあちゃんの家は山の麓にありましたので、土地柄「出そう」に見えたのでしょう。おそらく街中で聞いたら、然程怖くなかったように思います。

懐かしい思い出話です。

昔話はさっぱり、あっさり

怖かったにも関わらず、こう言った日本の昔話が私は好きでした。

いつも怖い対象は最後にはさっぱり、あっさり、自滅してくれるからもし怖い対象が消えなければ「また襲ってくるかも」と、怖くて眠れなかったかもしれません。

この『あおい玉 あかい玉 しろい玉』のように、昔話の主人公はいつも神様か何かに守られています。

物語の中と言えど、子供たちにしてみればそれが安心や自信となって、気持ちよく眠りにつけるもの。

その昔話を親になった今何気なく子供たちに読んであげていますが、ふとおばあちゃんを思い出し、

「(自分は)愛をいただき、今度は愛を渡す番なのだな」と、今の状況に喜びを感じたりしています。

「いちごぶらーんとさがった なべのしたカリカリ」♪

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 我が家でも寝る前に一冊絵本を読む生活スタイルです。日本の昔話があるから今の子達はより日本を知れるのでは無いかなって思います。少し怖い昔話の絵本を読んだ日は素直に直ぐに寝てくれるから親としてはありがたい。私が親から聞いた昔話を子供に聞かせて
    感想も聞ければ良いな。

  • 新潟出身ですが、初めて聞いたお話です。びっくり。こんな本があるんですね。
    同じ新潟県内でも、下越・中越・上越と地域が分かれるように、方言も上と下ではかなり違うんですよね。
    絵本の読み聞かせは毎日しているんですが、この本はまだうちの子には早いかな…。何歳くらいがちょうどいいんでしょうか?

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